経営者に求められるリーダーシップの本質

第八章 テクノジーとイノベーションを体現できる未来型「組織」

例えば、スタートアップとのコミュニケーションにコミットするといっておいて、ミーティングに参加せず、現場任せにする。自社での姿勢は、当然社外へもそれ以上にわります。トップの行動は何よりのリーダーシップです。アイデアをどんどん出せより、社長自身がアイデアコンテストに10個も20個もアイデアを持ってくる方が、どんな発言よりも効果があります。
率先垂範を、仕組みだけでなく、どう組織文化に落としていけるかが、一番の課題です。一人一人が「人」のネットワークや、培った経験等はなかなか、見える化しにくいです。当然のことですが、「テクノロジー」然り、見える化ができないものでないと、組織としてイノベーション能力を発揮できません。える化ができていないと、人が辞めるといった際のリスクが起こったときの回避ができません。そうした避けられない事態において必要なことは、技術を独自戦略にあてはめ、ノウハウとしてため込んでおけるかどうかでしょう。

イノベーションリーダーの経営者の仕事はいくつかあります。「現場がどれだけ未来志向になっているかの比率管理、軌道修正」「 CVC と CFO ラインの統合」「 CIO の役割」「数値化できないことほど、数値化、見える化」など無数に存在します。

「現場がどれだけ未来志向になっているかの比率管理、軌道修正」について、経営者の頭の中は、企業の規模はあれ、7 割以上未来のことが理想でしょう。ただ、発言は、その逆 7–8 割は現実に合わせないと現場は、大ブレします。一方でドンドン現在の事項に引っ張られる際は、深の課題はどこにあるか見極めが必要です。未来への取り組みが評価制度に落ちていないとスローガンで終わります。

「 CVC と CFO ラインの統合」では、組織として投資を中長期で継続していくためには、短期的な利益は一定程度あるか。投資を R & D とみなす場合の評価軸、基準。社内説明するための数字化できる形になっているか。「 CIO の役割」は、CEO、CTO がいて、CIO が並列で置かれている場合は、破壊的なイノベーションは起こしにくくなるため、CEO と CTO の目線を統合して意志決定することが、これからの CIO の役割でしょう。社内で名ばかりの「 CIO 」になっていないかは常に問題意識として持っておく必要があるでしょう。

「数値化できないことほど、数値化、見える化」し、経営者は戦ができる人である必要があります。私自身も日々様々な経営者から学びがあり、真実は細部の数値に宿ります。自分が持つ業種やビジネスに関する知見を、数値化し、見える化し、経営に反映させています。
これは、イノベーションをビジネス化していく際も同じことでしょう。

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