既存の枠組み以外でどう考えるか

第四章 イスラエルのイノベーションと関わる際の勘所

第四章では、「テクノロジー」と「イノベーション」をビジネス化していくにあたって、日本とイスラエル間のビジネス問題点について記してきました。最前線の人間でしかわからないこと、最前線の経験値を、組織「文化」にどう反映させていくか、鍵となります。

テクノロジーの変化が激しい中では、どうしても1人、1社それぞれでできることには限界があります。そうした中では、コミュニティが大切となります。ネットワークとコミュニティはイノベーション活動全般において役割が違います。ネットワークはイノベーションへの「入口」、コミュニティはイノベーションの「芽」を育てることです。

コミュニティでは、「時代がどう変わる可能性があるか」を感じ続けることができます。ネットワークだけではできないことです。コミュニティがあるとイノベーションの「芽」の数が増えることにつながっていきます。不特定多数のメンバー同士で「こういう技術がある」「こういう課題がある」の議論、衝突が起こると、「こうすればできるじゃないか」という新たな「アイデア」「アプローチ」が生まれてきます。3–9. 3つのプロセスで成果を上げるためには1つでも引き出しを多く持つでお話した、カプセル型内視鏡部分でも触れたとおり、既存の枠組み以外でどう考えるか。垣根にどうしても縛られやすいです。組織以外の共有点をもつことです。

そのためにも、4–5.オフラインコミュニケーションの重要性と4–6.組織として「成果」を出すコミュニケーション術でもお伝えしたコミュニケーションの視点は大事ですし、「何を」話すか、「どう」話すかは、センスが問われます。それだけでなく、知らない人といかに会うか、コミュニケーションの密度を高めるか、いくつかポイントはあるでしょう。

日本人は、コミュニティ内における「空気を読む」や「以心伝心」などは、元来コミュニティづくりは得意な民族です。ロジカルシンキングなど比べれば、はるかに高度なコミュニケーションです。日本人は、従来「空気を読む」などはできる能力を備えていますので、そこにコミュニケーション能力を高めれば、鬼に金棒でしょう。

ただ、個人がコミュニティに入っていくときも、組織化を忘れずにネットワーク化します。どういうコミュニティに出入りするか、動いた経験値をネットワーク化しておきます。動いた経験値は、LinkedIn を使いネットワーク化しておくことです。ネットワーク化の見える化がコミュニティ構築の第一歩でしょう。

イノベーションをビジネス化していく際、想定される課題は、社内で想定しています。コミュニティに求めることは、想定外のところからいきなり無理難題が降りかかってくること、現状答えが出ていない難題に対して「いつ」「どう」対処するかです。そういう意味でも、コミュニティは、関わり方を工夫すれば、問題意識の共有が出きます。

どういうコミュニティに出入りしてどう関わるかは、イノベーション活動全般の高付加価値化に水面下で影響してきます。自社で抱えている問題の質によっては、自社でコミュニティ自体を構築することが、中長期的な活動には必要となってくるでしょう。また、特定業界であれば、コアコミュニティを形成している人材同士のつながりは深いです。一度コミュニティを形成して置けば、失敗後も自社の課題解決などに注力してもらえる可能性は大いにありますし、「失敗後も付き合えそうな人材かどうか」は、戦略的リターンを求める際の 1 つの視点にもなります。

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