外部と柔軟に対応できる組織「文化」、変化への対応能力

第六章 イスラエルとなぜ関わり続ける必要があるのか

独自戦略を構築し、社内体制を整備しても、外部環境は刻々と変化します。ある程度は予測できます。問題は、予測できない変化が起きた時に、組織としてどう対処するかです。

予測できる変化には限界がありますので、すべての変化を予測しようとするよりも、起こるであろう予測できない変化に対して、対応できる能力を組織として持っておく方が賢明です。予測できない変化への体制をとっておくことです。予測できないことへの反応は、判断基準がないと、判断が遅れ、対処しようがありません。予測できないことの筆頭は、想定外の競合が現れることです。この際には、自社が変化への対応スピードは適切かを見直します。

日々のニュースなどで、社会変化に対しての企業の動きが情報として入ってきます。一方で、日々の情報に関わらず、自社としては、どういう価値形成をし、価値連鎖をするか、外部のイノベーションを取り込んでいくにあたって、どのテーマやどのプロセスを外部と連携するかを決めておきます。そして、「外部環境の何がどうなったら新たにアクションしないといけないか、既存のアクションを速める必要があるか」「自社にとってビジネス上の大きな変化はどこで、何がどうなったら起きるか」。こうした問いが反映されている組織であれば、現場から、経営者へしっかりとした問題意識の共有ができるはずで、柔軟な対応が可能となるでしょう。想定外のことが起きた時、変化への対応が遅れスピードを変えられないと致命的になります。

柔軟な対応とは、著者の視点では、「本質的な問い」「仮説」「予算化」「アクション」に分解できます。変化に適切に対処するためには、組織としての本質的な上記のような「問い」が必要でしょう。質問さえ上げられない様な組織は、そもそもイノベーションをビジネス化していく事は、できないでしょう。変化に応じて起こる現象と自社への影響範囲を想定し、それに基づいて組織を変更する場合、事業や開発スピードの方向、速度修正のための予算化をし、実行していくことでしょう。どう柔軟になるかは、企業の数ほど「策」があるでしょう。

大事なことは、経営者自身の後ろ姿をみて、現場は動きます。経営者の「後ろ姿」が企業文化の醸成に直結します。スタートアップとのミーティング、トラブル時の対応、技術そのものへの対応、組織としてのコミットメント、組織文化の構築を本気で目指すのであれば、それを念頭においた行動を心掛けたいものです。

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