テクノロジーのインフラとなったIoT

第五章 未来においてテクノロジーがどう作用するか

2020 年の年末にいくつかの大型書店に足を運びました。数年前までは、前面に出ていた IoT 関連の書籍が専門書籍棚に追いやられておりました。取って代わってものは、DX(デジタルトランスフォーメーション)、AI(人工知能)であり、時代の流れを犇々(ひしひし)と感じました。

これは、「1–7.テクノロジートレンド・マーケティングに惑わされない」で触れたブロックチェーンと同様に、IoT がなくなったのではなく、IoT がテクノロジーのインフラ化している流れでしょう。ブームは去りましたが、AI、DX になっても IoT の重要性はさほど変わっていません。IoT が興してきたイノベーションは、他のテクノロジーの土台となり始めました。IoT とは、「IoT とは何か(坂村健氏)」の言葉を借りれば、様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより、相互に制御することです。

相互に制御する基礎は、「デバイス(情報を取得するもの)」「ゲートウェイ(ネットワークノード)」「サーバー(デバイスが取得した情報を受け取る存在)」です。ゲートウェイは、その「デバイス」と「サーバー」をつなぐ存在です。「デバイス」の情報は、「サーバー」には、そのままでは伝わらないので、それを仲介してくれる存在が必要です。「デバイス」がそのまま情報を取得しているわけではなく、100 種類以上あるといわれるセンサーが、その役割を果たします。数多のセンサーがインターネットにつながっています。

このセンサー領域にイノベーションの必要性が高まっています。例えば、これまでになかった、新しいデータを取得したいとなると、新しいセンサーが必要となります。それをどう作るか。新しい理論が登場してからセンサーになるまでの時間が短縮化され、必要な材料の調達、製品化されていきます。一方で、1つのセンサーだけでは、必要なデータが得られない場合、課題に応じて必要なセンサーを組み合わせる「センサーフュージョン(センサーの数値を融合して1つのデータを抽出すること)」のような考えも出てきています。イノベーションの 1 つの事例です。

事業目線になってくると、コンビニなどで購入しない顧客の来店計測をしたいというニーズがあります。既存の単独テクノロジーでできそうかどうか、既存のテクノロジー同士の組み合わせてできそうか。そもそもできないか。などと考えます。屋内で GPS の精度は下がりますので、既存の技術の組み合わせを考えます。センサー起点から、事業課題のニーズと技術シーズを両方見た上、2–3. でも示したイノベーション、テクノロジーを全体感で見る」必要が出てきます。

エネルギー、自動車、生活全般など、今実現できそうで、できていないことをテクノロジーで実現しようとする場合でも、IoT はこういう課題に対して様々な可能性を持っています。全体感の中には、市場性、コスト、法務面、倫理面などテクノジー以外の問題も当然入ってきます。

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