イスラエルに拠点を置く必要性

第七章 日本とイスラエルの関係「深化」のために

シュペンターなど広義におけるイノベーションの定義は、「新結合」を意味します。ここでいう「新結合」は、2 つの異なる価値観がぶつかり合うコミュニケーションの中で生まれます。まず、コミュニケーションを通して、双方何者かがわかり関係がきでます。関係ができてくると、「人」と「人」同士の会話の中で、関係を重ね、信用が生まれてくると、最前線の問題意識が表出します。会話の中でしか表に出てこない問題意識、発信するには気が引けるが腹の中で思っていること、これから進もうと思っている方向や考えのぶつけ合いなどで生まれていきます。こうしたことは心理的、物理的双方の距離が縮まらないと表層には出てきません。オンラインでは、自分が話したいことを話しがちですし、複数人が同時にしゃべると聞き取りにくいなど限界があります。

2020 年は、コロナ禍の中で、オンライン中心のコミュニケーションが増えましたが、オンラインでは、こうしたこと突っ込んだ議論は、やはり向いていいないでしょう。ここで、今後「イスラエルに拠点を置く必要はあるか」について本質的に考えてみましょう。拠点は、必ずしも、置く必要はないですが、あるに越したことはありません。「イスラエルに行かないと、いないと、いい案件に出会えないか?」と聞かれることもあります。この国の特徴は、良くも悪くも「関係値」に依存します。回答としては、いてもいなくても、いい案件を見つけることは可能です。

。オンラインでは、自分が話したいことを話しがちですし、複数人が同時にしゃべると聞き取りにくいなど限界があります。2020 年は、コロナ禍の中で、オンライン中心のコミュニケーションが増えましたが、オンラインでは、こうしたこと突っ込んだ議論は、やはり向いていいないでしょう。ここで、今後「イスラエルに拠点を置く必要はあるか」について本質的に考えてみましょう。拠点は、必ずしも、置く必要はないですが、あるに越したことはありません。「イスラエルに行かないと、いないと、いい案件に出会えないか?」と聞かれることもあります。この国の特徴は、良くも悪くも「関係値」に依存します。回答としては、いてもいなくても、いい案件を見つけることは可能です。

イスラエルは、グローバルにあるイノベーションを生み出すいくつかの地域でも特異なポジションを持っています。特徴は、スタートアップであれば、会社を創業した日からグローバルを目指そうとします。そのため、一地域の特有な課題よりも、より本質的な課題にフォーカスしてきます。そうした背景もあり、イノベーションの質をある程度担保することが可能です。多様性を担保し続けてきた民族、多様な多国籍企業があり、イノベーションの芽の多様性を確保できます。

スタートアップは、イグジットをグローバルレベルで考えており、かつ、イノベーションプロセスの速度が速いことが特徴です。スタートアップは積極的に情報発信しており、情報は得やすいです。問題は、グローバル企業の問題意識を、どうやって掴むかです。特に、(6–6.イノベーションの「節目」とビジネスの「節目」を結節させる)でお伝えした、数多のグローバル企業はスタートアップのどういうイノベーションにアクセスして、ビジネス化しようとしているか。水面下の情報は、当事者以外からの入手は、難しいでしょう。

「ベンチャーキャピタルとの関わり方」「スタートアップやエコシステムへの関わり方」「グローバル企業との関わり方」をどうするかが拠点を置く際に考えることでしたが、このコロナ禍以後「拠点を置いて何をするか」ではなく、拠点を現在持たない企業は、少なからず、「拠点を置かずにこれらのことを成し遂げられるか」ということを考えているでしょう。この環境下でもイスラエルに拠点を作らないといけないか。作ったほうがよいかと問われれば、作ったほうがよいと言わざるを得ませんが、拠点を置く本質的な意味を問い直すよい機会でしょう。駐在員が変わってもノウハウが現地に生き続ける体制構築が必要など、本質的な議論ができます。

拠点を置く意味は、イノベーションへの面でのアクセスはもちろん、それ以外にも、「スタートアップなどから起こるイノベーションの変化の兆しを感じとれるか」「同様の問題意識を持つグローバル企業が存在する中で、自社は変化の兆しを察知できるポジショニングになれるか」「エコシステムを主導できるような存在感を発揮できるか」です。本来、独自戦略を基に経営者として考えなければいけないことは、継続的に無理がない体制で維持でき、そのために、拠点が最善の一手であれば、それを打つなどでしょう。Covid19 の環境変化は、いかにその本質的な価値をどう構築していくかにシフトを速めました。

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