どういう変化の確率が高いのか、イノベーションと失敗の関係

第二章 スタートアップとどう対峙していくか

人手不足の中で、起こりそうなことを考えてみましょう。既に一部で始まってはおりますが、AI を搭載した遠隔作業ロボットなどで代替されていくということは、予測がつきやすいです。例えば、人が作業するのに危険なところ、困難なところ、人間の「死」というリスクの可能性があるようなところでは、付加価値が高いでしょう。また、農業のように人手不足で単純作業自体の「労働力」が足りない場合も、代替されていくでしょう。

後者の問題は、前者の問題と違い、人間の労働力の代替として、コストの問題がでてきます。AI で行うほうが「生産性(コスト、時間)」が高いのか。移民の労働力のほうが高いか。という問題になるでしょう。前者は、テクノロジーのみで突破していけそうな問題であり、後者は、それ以外の問題も大きく関わってくる問題です。どうなりそうかイメージしやすいことは、変化も予測しやすいです。

テクノロジーの変遷速度が歴史かつてないほど速まっており、その速さが複雑さも生み出されている中では、「新しい可能性があるイノベーションの本質をどうやって効率的に掴むか」です。イノベーションを創造するプロセスの 1 つ 1 つのコストを減らして、数多く「失敗」し、経験を重ね、イノベーションを次々生み出す、ノウハウを外部から取り込むことが目的です。

テクノロジー自体は歴史を動かしてきました。一方で、テクノロジーがすべて変えられるわけではありません。そこにイノベーションが登場します。テクノロジー同士の新しい組み合わせが必要となります。問題は大きくなればなるほど、大きい課題は、1 社単独での解決が難しくなります。例えば、国家間問題、社会構造問題、地球温暖化、法規制などです。確かなことは、テクノロジーのイノベーションに関しては、こうした問題に左右されないところでの主導をしていくことができます。

さて、まず触れることは、新しいイノベーションを取り込むときに難しいことは、失敗が必ず起こります。その、失敗をどう担保していくか、そして、どう許容するかです。

これまでの日本の常識では、「失敗はそれでも起こる」と書籍の最後の方に、記されます。これでは優先度の高さが、読者の皆様へ伝わらないと考えました。本稿では、この優先度を皆様に変えてもらう必要があるため、かなり早い段階にもってきています。

私たちは、新しいことをやろうとするときに、失敗します。失敗しないことは、チャレンジしていないと同義です。頭でわかっていても、失敗したくありません。これまでにない新しいことを試みようとすると、確率を上げようあらゆる手を尽くします。時間はかかり、資金も使い、人でもかかりますが、戦略を練り、目利きをしても、成功確率は、3 分の 1 と言われます。頭ではわかっているのに、「失敗の確率」をゼロにしてしまおうとします。失敗したら取り返しがつかないからです。

この失敗への耐性が出来上がっていないのにも関わらず、本書でやろうとすることを試みても、上手く行かないと考えています。

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Seiji (Steve) Kato
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Written by Seiji (Steve) Kato

Isratech.,Inc Founder & CEO Seiji (Steve) Kato URL : http://isratech.jp/

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